手術を行う症例
[症例3]
下顎奥歯の歯肉の腫脹、排濃、自発痛により来院。当初、状態も悪かったため、抜歯にて処置をすすめる計画を立てましたが、患者さんの強い希望で抜歯をせずに手術をする事にしました。今後も基本的には、同じ様な状態の患者さんがいれば、やはり抜歯をお勧めすると思います。
[初診時] 歯牙を支えているはずの骨がすべて肉芽といわれる軟組織に変わっている事が確認できます。
>> 写真1(X線写真)
歯冠修復物を外したところ>> 写真2歯肉が腫脹しているのがわかります。
>> 写真3
仮根填剤の充填が終了した時点でのX線写真。根分岐部(根と根の間)にパーフォレーション(穴が開いている)があるのが確認できます。
>> 写真4(X線写真)・5
一度該当歯を抜歯ました。歯牙の周りに感染した肉芽組織が張り付いているのが分かります。
>> 写真6
歯牙より、肉芽組織を除去し、もう一度抜歯窩へと戻し、手術終了です。
>> 写真7
[手術2週間後] 打診痛及び自発痛なし。現在仮歯にて経過観察中。
>> 写真8・9
[手術後8ヶ月後] X線写真上でだいぶ骨が出来てきているのが確認できます。歯肉周辺に腫脹はみられません。現在は、経過観察中なので、仮歯をいれています。>> 写真10・11
以上のように、当院ではひどいむし歯の状態でも手術によって症状の悪化を改善していく治療を進めております。しかしながら、歯随(神経)をとらなくてはならないような治療をする場合、以下のようなデメリットもあることを承知していただきたいです。
- 歯根破折を起こしやすい
- 歯髄の警告信号(痛みから)が生じない
- 歯髄内圧が無くなるため、最近が歯に侵入しやすくなる(再発しやすい)
- 歯が変色する
- 根管治療(根の治療)は100%ではない